RPAと行政書士業務についての研究をしています【夏休みの自由研究】

お盆です。仕事周りも落ち着いていちゃってるので”大人の自由研究”ということで、「RPAを行政書士業務に取り込むには」というテーマで研究していこうと思います。

「AIに仕事を奪われる可能性の高い職業」で常に上位にランクインする我々行政書士ですが、ロボやAIに仕事を取られるという考え方ではなく、先端技術を積極的に取り込んで強力な助っ人になってほしい!と私は考えています。

そこで私が目を付けているのが、最近ニュースでも見ることが多くなったRPA(Robotic Process Automation)です。

RPAとは? 定形の業務をロボットで自動化

RPA(Robotic Process Automation=ロボティック・プロセス・オートメーション)とは、これまで人間がPCを操作しておこなってきた資料間のコピペのような定形作業をソフトウェア型ロボットに代行してもらうことで、いわゆるホワイトカラー業務の自動化・効率化を図るというものです。RPAの運用にプログラミングの知識などは必要なく、運用する側は数週間のトレーニングを受ける事で、RPAツールを利用した自動化処理を進める事ができることも大きな特徴のひとつです。

行政書士業務への応用

我々行政書士は官公庁へ提出する書類の作成を主な業務として取り扱っています。たしかに住所・氏名・数値などを証明書から抜き出し申請書のような定型の文書に転機するという作業はまさにRPAの得意分野であり、「AIに仕事を奪われる可能性の高い職業」で常に上位にランクインするのも当然のように思います。

一方で行政書士の業務の中にはコンサルティング的な要素を含む仕事も多く、証明書を見ただけではわからない、証明書を見ただけでは審査する側に伝わらない個別の事情や事案について補足資料を作成することも多くあります。

では具体的にどういった業務にRPAが応用できるのか考えていきましょう。 

活用提案① 入管業務への応用

例えば入国管理局へ提出する在留資格(ビザ)の申請書を作成するための基礎資料として、「在留カード」、「住民票」、「卒業証明書」、「納税証明書」などをお客様からお預かりすることが多いです。私がRPAを活用して自動化したいと考えているのは、在留カードや証明書などをスキャンするとおおまかな申請書と添付書類の様式を自動的に作成して印刷してくれるというものです。また、もし「納税証明書の収入の額から働きすぎが疑われる」や「履歴書から短期間の転職が多い場合など」など場合にはアラートが表示される機能があってもいいかもしてません。

一方でビザの申請書には定められている申請書や証明書のように定形の文書からはわからない依頼者の細かい事情を「申請理由書」などに記載するのは行政書士本職の仕事です。これについては過去の事例を検索して似たような事案の申請理由書に個人名や会社名まではRPA側で入れておいていただいて、それ以降は行政書士がたっぷりと時間をかけて作成すると作成する理由書のクオリティが大きく上がることは間違いありません。 

 このように定形の作業はRPAさんにお任せして、コンサルティングと人間の感情の部分にクローズアップしたよりクリエイティブな書類作成、申請書の最終チェック作業に時間を割くことができるようになれば行政書士にとっても大きなアドバンテージになると思います。

活用提案② 補助金業務への応用

補助金の申請、特に省エネ関係の補助金ようなexcelの表から機器の名前とその仕様を抜き出してブラウザ上のポータルサイトへ登録する業務はまさにRPAさんにお任せしたい業務の筆頭格といえます!

一旦入力してから機器の変更などで修正対応することも多いので、過去の入力内容と比較して変更点のみ修正して、「以下の点を修正しました!」なんてメールまでRPAさんが依頼者に送っていただければ完璧ですよね!

さて、では補助金申請業務は完全にAIにとってかわられる業務でしょうか?これについてはかなり多くの部分でそうなる可能性が高いですが、補助金の申請って種類が多すぎて当初依頼者が想定していない補助金の方が金額やその他の条件と比較して有利に働くことなども多く、事務的な部分はできると思いますが、結果として我々に依頼してもらったほうが良い結果になるように思います。

仮に補助金を簡単に申請できるサービスを提供できたとしても、基本的に企業向けのサービスなので、個人向けのように完全フリーサービスとはなりえないのでは?と考えると、我々行政書士向けに共同でシステムを開発していただくのがいいかも?

RPA導入の費用は?

システムを組むとなると気になるのは、初期費用と月額料金ですよね。

調べてみると、初期費用30万円、月額料金10万円程度からはじめることができるRPA業者さんもあるらしく、それであれば事務員を雇った場合の給料などと比較しても十分に検討の余地はあると思います。

また、おそらく来年度以降IT導入補助金を活用したRPA導入サポートが爆発的に増えてくるのではと想像しており、導入費用の1/2が補助されるのではあればお試しで使ってみたいという方も多いのではないでしょうか?

いかがでしたか?私も本やネットで見た限りの情報からの想像なので本当に我々の業務に応用できるのかは引き続き検討し、情報を共有させていただきますが、今後どんな業界にも人手不足の波は必ず襲ってきます。特に行政書士や士業(弁護士、税理士、社会保険労務士、司法書士など)といわれる労働集約型の産業で、人を雇わないことをポリシーとしている人間(私がそうです)にとって、より効率的な事務所運営をしていかないと大きく売上を上げることは難しいと思います。

どの業界にもいえることですが、なるべく早い段階でRPAないしAIを業務の中に取り入れることを業界全体として取り組み、研究し、生産性の向上を図ることが重要になってくると思います。