経営力向上計画の所管がふたつの省庁にまたがった場合の手続について

経営力向上計画は業種や取組内容によっては申請先がふたつに分かれることがあります。例えば、サービス付き高齢者向け住宅のような不動産業と介護事業が同居するような業態の場合には、申請書のかがみには宛名を併記することとなります。

  • 不動産業(国土交通省管轄)⇒ ●●地方整備局長 殿
  • 介護事業(厚生労働省管轄)⇒ ●●厚生局長 殿

※業種別の申請先は中小企業庁のHPを確認してください

今回ご紹介するのは、所管する省庁がふたつになってしまった場合の手続についてです。

申請書は2通必要?

公式には特に記載ありませんが、実際に私が担当した案件では、いずれも申請書は1通だけ用意して、それを省庁間でやり取りしていただきました。

担当省庁間での調整もあると思いますので、事前に電話で確認しておく方が無難ですね。

取組内容も業種ごとに策定する必要あり

経営力向上計画を策定する場合には、業種ごとに「事業分野別指針」に記載された取組みの中から自社で実行予定の取組み選んで実行していく必要があります。

業種が複数に渡る場合には、「経営力向上の内容」の欄についても複数業種の指針を参照してそれらの指針で求められた取組み選定する必要があります。

ただ、例えば「省エネルギーに関する取組み」のような製造業と小売業両方の指針に記載のある取組みに関してはひとつで両方を満たすと考えていいように思います。

事前の打ち合わせはしっかりしておく

とはいえ、審査する役所側としてもあまり事例は多くないと思いますので、事前に電話やメール(FAX!?)で申請手続を確認しておくことが重要です。

  • 自社の業種(もしくは取組内容)は複数業種に該当するか
  • 該当するとして、申請書の宛名はどうすべきか
  • 申請書の提出先はどこにすべきか

先に書いた事例では省庁間でもしっかりと打ち合わせをしてくれたので申請書は1通で済みましたが、申請する先の省庁によってはそれぞれ別の申請をせよと指示される可能性もあります。

とかく経営力向上計画は省庁ごとのローカルルールに左右されることも多い手続ですので、事前に申請する先の省庁との打ち合わせを密にしておく事が重要になってくるかと思います。