【行政書士が徹底解説 #001】電子契約とは? | メリット・デメリットも併せて解説します

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電子契約とは

「電子契約」とは、従来書面上で行っていた契約書の締結や管理を、インターネット上で行うシステムのこと

もちろん、口頭による口約束でも正式な契約として有効とはなりますが、後々のトラブルを回避する意味でも書面による契約の締結がなされるケースがほとんどです。

事実、ここ近年で「電子署名法」や「電子簿保存法」といった電子契約に係る法律が整備されたことに加え、技術面での開発が進んだこともあって、電子契約の導入を前向きに検討している企業が増えています。

電子契約のメリット

さて、電子契約におけるメリットとは具体的にどのようなものなのか気になる方も多いですよね。

そこで、ここでは主なメリットを3つ、取り上げてみました。

さっそく一緒に見ていきましょう。

①コスト削減に繋がる

電子契約において印紙代はもちろんのこと、郵送代や封筒代、人件費や保管費用といった様々なコストを削減することができます。

中でも印紙代については、建設工事の請負契約書を交わす場合など、契約金額によって多額の印紙代が必要となるケースも。

詳細については別稿でお伝えしますが、そうした費用を電子契約を導入することによって削減することができるのは大きなメリットだといえるでしょう。

②業務効率化

書面で契約を締結する場合、郵送や返送にともなう時間的なロスもあって契約締結まで数週間要してしまうことも珍しくありません。

またその分、人的コストもかかってしまいますよね。

ですが、電子契約を導入することでこうした時間的・人的ロスを大幅に削減することができます

情報もデータベース上に一元管理されることから、問い合わせの際にわざわざ探しに行く手間も必要ありません。

③コンプライアンス強化

残念ながら書面による契約書の場合、第三者による悪用や改ざんを100%防ぐことはまずできません。

しかし電子署名と認定タイムスタンプから成る電子契約においては、こういった悪用・改ざんリスクが低いだけでなく、業務の透明性も向上します。

また、予期せぬ災害などに見舞われてしまった場合でもデータ上にきちんと保存しておくことで復元もしやすくなるでしょう。

電子契約のデメリット

電子契約のメリットについて抑えたところで、デメリットについても見ていきましょう。

①電子契約が認められないケースもある

電子契約が推奨されている傍ら、法的に「書面での契約締結が義務付けられている契約」が存在します。

一例を挙げると、

・定期借地契約

・投資信託契約の約款

・労働条件通知書の交付

などが該当します。

そのため、もし上記のような契約を扱う場面が多い場合には、専門家に意見を仰いでから検討するようにしましょう。

②契約相手方の理解が得られないことがある

電子契約をいざ導入し、使用しようと思っても相手方の理解が得られないことにはどうにもなりません。

双方の合意のもとで契約が締結されることから、相手が電子契約を拒んでいる以上、従来の書面で行うしかありませんよね。

導入する電子契約のシステムによっては、相手方にも同じシステムに加入してもらう必要があることから、電子契約を導入する前によく確認しておくようにしましょう。

とはいえ、昨今ではcloud signをはじめとした相手方の加入が不要なシステムも展開されていますので、よければ併せてチェックしてみてください。

また、実務上の問題として”契約日のバックデートができない”という問題があります。 (そのことが良いか悪いかの議論は置いておいておきます)
その場合には「5月1日付けの合意を5月20日付けで確認したことを証するため本契約書を作成する」などを契約書の末尾に付記する方法で対応することが考えられます。